ベルベル話
[4. ロビンと仲間たちの日記]
ベルナ:「ベルベルちゃんのお話コーナー!!!
「あるところに、左手首に腕時計をはめ、右手に鞄を持った、分厚いコートを着た人がいました。彼はある時急に左腕を曲げ、左手首を顔の前まで近付けました。腕時計で『現在時刻を確認するため』です。当然ね!!!ところが彼のコートの袖は長すぎて時計の文字盤が見えません。彼の反対の手には重い荷物があります。その荷物を持った手でわざわざ分厚いコートの左袖をめくってまで時刻を確認するのは面倒だと思ったので、彼は左腕を下げました。
「すると後ろの方から、話し声が聞こえてきました。誰かと誰かが誰かについて話しているようです。
『おい見たか?あの人、時計を見る振りをしてたぞ。』
『なんでかな?』
『時計を見ようとする仕草を人に見せびらかすためだよ、きっと。そういう仕草がかっこいいとでも思ってるんだろ?』
「その会話を耳に入れた彼は再び左手首を顔に近付け、今度は荷物を地面に下ろし、右手で左袖をたくし上げて、腕時計の文字盤をじっくりしっかり念入りに見つめました。」
モンモン:「最初の目的を最後まで貫ける人間になったんですね!」
ロビン:「それに、念入りにものを見られる人間になったんだね。やったね。」
ベルナ:「違うの!!!私が言いたいのは、2回目に彼が時計を見た目的は、『現在時刻を確認するため』じゃなくて、本当に、『時計を見ようとする仕草を人に見せびらかすため』に変わっちゃってたってことよ!!!どうして目的が摩り替えられてたのかは分かるわよね!!??」
・(「誰かについて話している誰かと誰か」 = 相手の事情や考えを知らないで、まともな根拠もなく人をペテン師だの勘違いしてるだの決め付ける人たち)
投稿者Manudog
: 2006年01月15日 14:11
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