マルテの手記
[1. まぬけ犬推進委員会推薦図書]
最近読んだ本:
リルケ「マルテの手記」
ロビン:「リルケはカフカと同じでプラハ(チェコの首都)出身のドイツ語作家みたいだね。」
モンモン:「マルテの手記。この本は、日記みたいな感じになってて、出来事や思い出話を語ってますぜ!」
ベルナ:「内容はかなり詩的よ!!!考えた事や、感じた事や、体験した事とかが詩的なインパクトたっぷりな表現で描かれてたわ!!!」
引用1:
彼は燃えつきようとするろうそくのように立ち、さっきから一回も動かない。彼がどんなに誘いよせ引きよせているかを、群がっている愚かな小鳥たちはすこしもさとれないのである。おそらく天使が不意に舞いおりてきて、勇を鼓し、しなびた手のなかの古い甘いパンくずを食べるであろう。しかし、いつものように見物人たちは雀だけで満足し、男の目的も雀を呼ぶことだけであったと力説する。かれらの言うとおりであって、雨ざらしの古い人形のような男が雀よりほかになにを期待しよう
引用2:
ひところ母は僕が男の子ではなくて、女の子であったらと願ったことがあることを話し合った。僕は母のその気持ちをそれとなく察して、昼すぎに母の部屋のドアを時々ノックする考えになった。母が「だあれ?」ときくと、僕はドアのそとで「ソフィーアよ」と返事をするのがうれしかった。幼い声をできるだけ女の子らしくかわいらしくしようとして、喉がくすぐったくなった。(中略。ソフィーアになりすますマルテ。)多くはマルテの腕白を数え上げて、マルテの愚痴をいうことで始終した。「ほんとうにね、マルテったらね」と母はため息をして言った。そして、ソフィーアは世間の男の子の腕白をいくつも数え上げた、男の子をどっさりと知っているように。
「ソフィーアはそののちどうなったろうね」と、母はそういう思い出の後で不意に言うのであった。むろんマルテはそれについてなにも答えられなかった。しかし、母がソフィーアは死んでしまったのだろうと言うと、マルテはかたくなにそれに反対し、死んではいないという証拠はなかったが、そんなことを信じないようにと頼んだ。
モンモン:「きっとソフィーア嬢もフォスターズ・ホームへ行ったんですぜ!」
ベルナ:「適当なこと言わないで頂戴!!!」
投稿者Manudog
: 2006年02月05日 22:28
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